マスタリングは音源作りの最終段階

音圧という概念

音圧。太くて力強いサウンド?実はこの「音圧」についても、この言葉を使う人間により受け取り方が違うと思われます。
 
多くの人が「音量」「ラウドネス」や「パンチ」のことを音圧と表現しています。これらすべてが音圧と言えるかもしれませんが、音圧は「音が持つ図太さ」なのではないかという考えもあります。
 
たとえばDTM全盛の今、多くのプラグイン音源を誰でも使うことができます。こうした音源の音は、正直言って心の通った音ではありません。本物の楽器からダイレクトで発せられる音は、種類が違う、何か太い音が出てきます。プラグイン音源の音は、基準となる音自体がやせています。そのやせた音を圧の感じられる音にしようとしても、なかなかうまくいきません。
 
多くのエンジニアがコンプレッションにより、この音圧を表現しようとしています。人により言葉の概念が異なるため何とも言えません。ただ、日本の音楽シーンにおいてはコンプレッションで音圧を表現することは当たり前と捉えられています。
 
イコライザーでブーストする
イコライザーは日本ではノイズを「カット」するなど、どちらかというとブーストよりもカットに重点の置かれた使い方をされていると思います。世界で活躍しているエンジニアの多くは、イコライザーで音作りをします。イコライザーの操作によりタッチの強弱を表現するためには、いい耳に加えて感性豊かであることが求められます。
 
 
マスタリングは創造と共有を結びつける作業です。マスタリングが終わると、オーディオは完全に統一のとれた、プロフェッショナルでバランスがとれたサウンドになります。オンラインに共有する場合でも、CDをリリースする場合でも、優れたマスタリングにより、どこでも、どんなフォーマットでも満足のいく作品に仕上がります。
 
PQコードとトラックID
CDやダウンロード用ファイルのデータには、PQコードやIDタグを挿入することができます。挿入可能なデータは、CDのテキスト、ISRCコード、UPCやEANといった商品個別コード、さらには違法コピーを防ぐためのプロテクションデータがあります。IDタグを挿入することにより、ダウンロードされたデジタルオーディオファイルは、曲名、アーティスト、作曲家、レコーディングの日時、ジャンルなどで識別されるようになります。
 
UPCやEANは商品を販売する際に識別されるコードで、日本におけるJANコードと互換性のある規格です。
 
ディザリング
精度の高いマスターを確保するために、ディザリングと呼ばれる処理を施します。ディザリングは、CDマスタリングに必要な24ビットから16ビットに規格を合わせる際に、品質を高く保持するためのテクニックです。音楽ファンの多くが感じる、デジタルフィルタによる無機質感。この「デジタル臭さ」を解消するために施されるのがディザリングです。オーディオに低いレベルのランダムノイズを追加し、音源全体に丸みや深みといった雰囲気を与えることができます。