マスタリングプロセス
2019年11月01日 13時01分
いよいよマスターの完成へ
マスタリングプロセスの最後は、最終的な制作マスターの焼き付けです。マスタリングが終了してできあがった作品はPMCD、もしくはDDPというフォーマットで焼き付けられます。PMCDは、Pre Mastered CDの頭文字をとったもので、CDの製造工場向けに特別にフォーマットされたものです。高品質の音源製作のためには、高品質のディスクバーナーとCDメディアが不可欠です。
DDPフォーマット(Disc Description Protocol)には、ガラスマスターの作成に欠かせない、すべての情報が含まれています。DDPファイルはハードドライブに直接保存され、CD製造工場のWebサイトに直接アップロードすることができます。DDPファイルはPMCDよりも便利で、且つ信頼性が高いことから、現在、幅広く利用されています。
ガラスマスターは、薄いフィルムレイヤーで構成されたガラスディスクです。DDPやPMCDからのデータは、レーザーでフィルムに焼き付けられます。ガラスマスターからは、CDにレコード同様にプリントされるスタンプが作成されます。
- マスタリング・音源がついに誕生
マスタリングやミキシングといった作業では、オーディオエンジニアにとって、経験や知識だけではなんともしがたい、天賦の才能が必要とされます。
マスタリングには、仕事の流れと共にコツがあります。これは日本の音楽プロデュース業界の問題と言えるかもしれませんが、このコツを知るエンジニアが、あまりにも少ないのです。
- マスタリング・作品に息を吹き込む作業
プラグイン音源で作られる音には、この「図太さ」がありません。また「表情」もありません。何か抽象的になってしまいますが、この音の「図太さ」や「表情」と言った要素をプラスする作業がマスタリングのプロセスです。音源全体の調和を図り、完全な作品として送り出すには、才能が大切だと言われますが、作品に息吹を吹き込むと言う点では、ひじょうに人間的な作業です。